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新規事業に力を

Power to the New business

迷走する新規事業

なぜ、新規事業が立ち上がらないのか?

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世の中にはたくさんの手段・プロセス(以後、ツールと総称)を示した本、
記事がありますが、それらを使ってなぜ新規事業は立ち上がらないのか?

壁のひとつは、それらのツールを有効に使うためには使いこなす経験が要るということです。

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  • いろいろなツールをどの場面で何をどう使うか?
  • それらのツールの得手不得手。場面への適応性の理解。
  • ツールを使いながら目標の解像度をあげてゆく。

これらは経験がないとできないことです。
そして、よく見られるのが以下の状況です。

  • ツールを使うことが目的化する
  • 当初の目標からずれた方向へ
    行ってしまう
  • 目標の解像度が上がらずに矮小
    化したものになってしまう

結果として、

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戦略負け

腹に落ちた戦略を創れない。
オープンイノベーション、 AIなど流行りの手段に
乗ろうとするが、目的を創れない。

継続
できない

腹に落ちないと続かない。哲学の欠如。

提供価値

経験と知見に基づき、
具体的に創るところを
一緒にやっていきます

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顧客要求の考察

顧客要求の考察

事業って、まずは「売れる」って実感が大事。これがあると、顧客のニーズが見えてくる。しかも、使ってくれた人から「こうしてほしい」「ここが使いにくい」なんて声が上がるようになったら、それはもうありがたい話。実際に使ってるってことだからね。
でも、ここで油断しちゃいけない。顧客の要求を全部そのまま聞いてたら事業が育つかって言うと、そううまくはいかない。大事なのは「誰が」「どの視点で」言ってるのか、そして「それが本当に市場全体にとって重要なのか」を見極めること。
事業を伸ばすには、「金を払ってでも欲しいもの」がどこにあるかを見つけないといけない。なのに、顧客要求ってやつは往々にして“本丸”からじゃなく、端っこから飛んでくる。これがやっかい。
しかも、具体的な要望をくれるお客さんほど、その業界の未来のことなんて考えてなかったりする。目の前の困りごとを教えてくれてるだけ。ありがたいけど、それをそのままやってたら、視野が狭くなってしまう。

だから大事なのは、「顧客の声をどう消化するか」。全部受け止める必要はないし、全部スルーするのも違う。その中から、事業を進める上でヒントになる部分を拾い上げて、自分たちなりに意味づけしていく。そこがセンスの見せどころ。
まあ、単純にやれることなら誰かがもうやってる。今の時代、情報は山ほどある。だからこそ、「何を拾って、どう料理するか」に魂が宿る。

価値にフォーカス

価値にフォーカス

自営として独立して最初に驚いたのは、「誰か紹介してくれませんか?」という依頼の多さだった。
もちろん紹介してもいいのだが、最初は「紹介する前に、まずは価値を高めることを考えてみませんか?」と声をかけていた。けれども、そう言うと大抵反応が薄く、やがて言うのをやめてしまった。
「紹介してほしい」というのは、つまり「売りたい」からだろう。でも、本来「売ること」と「価値を創ること」は切り離せない。むしろ、売るという行為は、価値を創るため、価値を検証するための手段であるべきだ。
今あるプロダクトやサービスが、完成度の高い「価値」になっているケースはほとんどない。まずは最低限の形で世に出し、それを起点にフィードバックを得ながら価値を磨き、セールスを拡大していく。そういうアプローチこそが必要だと思うのだが、「とにかく今あるものを売りたい」という発想から抜け出せていないケースが多い。
売った先に何があるのか?そこまで考えないと、たとえ売れても意味がない。
これは企業組織の中でもよくある話で、「とにかく黒字化」という呪文のような目標に似ている。
事業開発は「開発」とつく以上、将来の売上や利益を創り出すことが本質だ。にもかかわらず、既存事業の延長線上で考えられてしまい、「短期的な黒字化こそが正義」とされてしまう。
その結果、スタートアップは小さくまとまり、企業内の新規事業も「そんなもの作ってどうするの?」レベルの、当たり障りのないものに収斂していく。
事業開発において、何よりも忘れてはならないのは、「価値にフォーカスすること」だ。

目的と手段と一貫性

目的と手段と一貫性

新規事業をやろう!となったときに、最初にぶつかる壁が「何を目的にするか?」ではないだろうか。事業を創るのが目的と言っても、何から始めて、具体的に何を目的にするのかわからない。とりあえず、調査をするが・・・調査を延々とやっているケースも多々ある。
俺の場合はまずは“勝ちパターンの探索”が目的となる。勝ちパターンとは要はどうやって儲けるか。どこに価値を持たせるか、ということ。これを探索する。
事業会社では既に勝ちパターンを持っている事業があるので、勝ちパターンを探索するという経験はない。既にある勝ちパターンを強化するか、上乗せするくらいで、ここから離れるといきなり素人芸になってしまう。
勝ちパターンを見つけるための目的と手段の設定は知識とその知識をどう使うかの経験が必要だ。ここが最初の壁になる。
この壁をうまく乗り越えるのはよいガイドを使うくらいしか今のところ思いつかないが・・・運よく自力で見つけることができるケースもあるだろう。

次の壁が一貫性。これはさらに難しい。最初の目的の壁でさえ、目的は勝ちパターンの探索なのだが、いつのまにか探索ではなく、無理やり勝ちパターンを構築するところへ行ってしまう。体感的には90%以上はここでトラップされる。ほとんどのケースは探索を目的にしないで、力業で構築する方向へ行ってしまう。
探索は体系的に勝ちパターンを探るものであるが、力業の構築は思いついたそばから勝ちパターンをトライしていくのでまず当たらない。ここは体系的で論理的な見立てが必要なところだ。
何かをやると、結果が出るのでどんどん目的から外れてしまう。これが一貫性の壁だ。
進めば進むほど、情報がリッチになり、課題が出てくるのだが、入口レベルでもこれほど難しい。これがさらに進んで行くと、これまでの積みあげ(サンクコスト)もあってもう一貫性どころではなくなる。
目的と手段そして一貫性を保つことは新規事業の必要条件と言える。

過去と未来

過去と未来

あ~あの時買っていれば・・結果が出た後なら誰でもわかる。ケーススタディも同様で結果がわかっているものは当時の選択は必然に見える。あたかも必然の道を歩んできたように見えるのは結果がわかっているからだ。ケーススタディの本質は結果の見えない時点でなぜそれを選択したか、にあると思うが結果がわかっているとなかなかその臨場感というか、切迫感、不安感は味わえない。話が横道に逸れるが、ケーケスタディの本質は「その時、何を選んだか」ではなく、「なんでそれを選んだか」にある。理由に正解はない。正解を求める性質の人には向かない。正解のロジックを見出すところに価値がある。

過去の延長にあるものは予測精度が上がる。見えない・・と言っても着地の予想はつく。選択の幅は絞られる。
現時点からスタートするものの選択は難しい。
先が見えない臨場感、切迫感、不安感の中で選択するガイドになるものがロジックと価値観になる。
先の見えない時間軸に立った時に、何を選ぶのか? が冒険の入口になる。

意志とロジック

意志とロジック

事業の始まりは「何かを成そう」、という意志があってそれを実現するためのロジックが生まれてくる。さらに上手くやるためにロジックが磨かれ、効率的にやろうとしてまたロジックが見いだされ磨かれる。これを繰り返した結果として大企業がある。
大きくなると、上手くやると効率よくやるが中心になり、何かを成そうという意志は所与のものになっていく。最初の“何か”が成長しているうちはそれで何の問題も起こらない。しかし、いつかは成熟し、衰退に入る。その時にあらためて「何を成すのか?」が最大の問題として立ち上がってくる。その時には上手くやるロジックと効率よくやるロジックしか企業内に経験がない。これが多くの大企業の抱える問題になる。

何を成すのか?はそもそもロジックで生まれない。意志があってはじめてロジックが意味を持つ。何を成すか、を設定するのは意外にも難物だ。それを実現するロジックとの掛け合いがなければ独創的な意志は生まれない。意志とロジックは往復運動と相互作用があって、はじめて独創的な、ワクワクするようなビジョンと言えるようなものが生まれる。

意志が軽い、創造性がないものは容易にロジックや道筋すらない手段が目標にとって代わってしまう。DX、ジョブ型、オープンイノベーション、AI・・・これらはすべて手段であって、ロジックすらも示さない。上手くやろう、効率よくやろう、というロジックだけが肥大化して何かを成そうという意志は空洞化してしまう。
・・ってことだね。

価値/抽出と創造

価値/抽出と創造

価値には二つの方向がありそうだ。
抽出と創造。
抽出とは過去に創った事業の絶え間ない最適化と効率化。磨き上げるのは無駄を排除するプロセスのファイン化と効率だ。価値の抽出とはロジックの追求である。
創造は未知なるものへの挑戦。仮説と検証を繰り返す、試行錯誤と実験である。冒険による発見が新たな価値を創造する。価値の創造とは冒険と発見である。
価値の抽出はロジックなのでわかりやすい。目的の設定もクリアである。ロジックがクリアなので期待値も数字で表せる。
一方の創造は未知への挑戦なのでロジックでは解体できない。挑戦する意志と勘とか価値観がリードする。期待値も創り上げていく意志を表す。
問題はわかりやすさ、である。抽出は既にあるものをロジックで分解するので圧倒的にわかりやすい。誰もが理解できるものとなる。創造は意志とか勘とか価値観という個人発のものなのでケースによっては理解すらも難しい。

大企業は価値の抽出の結果として大きくなっているので、価値抽出のロジックで回っている。そういう組織の中で価値創造を回すためには、一定の枠を個人の勘や価値観に任せるというロジックを組織の中で共有する必要がある。
経営ロジックの中にロジックでは説明できないパートが存在する、というロジックを打ち立てないと継続した価値の抽出と創造は成立しない。

両利きの経営

両利きの経営

両利きの経営とは既存事業と新規事業の価値観、評価が異なるものを同時に行う経営という意味である。既存事業は“深化”・・主力事業の絶え間ない改善を行い、新規事業は“探索”・・新しいものへの実験と行動、ということで深化と探索の価値観の違いは行動にすると相反するものが多く、一緒にはできないので両利きというわけだ。
確かに深化と探索は違いはあるが、深化にしても試行錯誤の実験は必要で挑戦するマインドは必要じゃないか。このマインドの理解があれば探索への理解もそれほど苦労はしないでも拓けるんじゃないかと引っかかっていた。

しかし、よくよく考えてみれば深化のスペースが深い事業なら新規事業など要らない。既存事業の深化を愚直に進めばよい。両利きの経営が必要になるのは既存事業が成熟し、衰退し始めている事業を営んでいる企業になる。
成熟(衰退)事業では深化の手段は最適化と無駄を排除する効率の追求になる。もちろん多少の試行錯誤的な実験はあれども、行動と評価の中心は最適化と効率化である。このマインドと新しいもの、未知なるものへの試行錯誤の実験的挑戦は180度違うものになる。
既に創ってきた事業からの価値の抽出である最適化、効率化と新しく、未知なる事業の価値創造である実験的挑戦を両立させるものが両利きの経営でこれは相当に難易度が高い。
長年の最適化と効率化で生き延びてきた企業ではなおさらだ。
両利きの経営とは言うは易く行うは難し。

自前主義

自前主義

自前主義はなんでも自分たちでやろうとして、高コストになったり社外の競争力を軽んじてしまう悪い意味で使われるが、この手のわかりやすさは要注意。
自前で価値を持たなければ、創れなければ、縮小均衡に陥り、しまいには市場から相手にしてもらえなくなる。自前で何かできなければ始まらないのである。

自前主義を掲げるケースは過去に勝ちパターンを獲得した企業だろうが、何を外部に依存して、何を自分たちでやるのか、の定義ができない状態で言い始めるといつのまにか中身が無くなってしまう。アウトソーシングだ、アライアンスだのバズワードに乗っかるとそれこそ骨抜きになってしまう。
基本は自前で独自の価値を創ることにある。この価値を活かすためにアウトソーシング、アライアンス、オープンイノベーションはある。持ち札(独自の価値)を持たないものは相手にされないわけだ。
いろいろテクニック的な手法やプロセスがあるが、基本は独自の価値を創ることにある。