既存事業においては、意思決定者、責任者は決まっているようで決まってない。
それらはプロセスの中に埋め込まれている。
顧客、商品、販売チャネル、予算、評価、技術、組織・・これらは業務プロセスの中に埋め込まれており、大きく逸脱することはない。仕組みと慣性が事業を前に進める。
ある日、責任者が突然いなくなっても、売り上げが半減するわけではないし、継続的に進められなくなることもない。
この現象は一つの勝利の証でもある。“勝ちパターン”を持ったということだ。
この意思決定構造、責任の構造は事業転換や、新規事業、事業売却など、これまでと異なることをやる際には全く機能しなくなる。
既存事業のやり方を当てはめると一瞬で機能不全になる。
これまでと違うことをしなくてはいけないだけでなく、それぞれの部分が持っている判断基準そのものが、既存事業を前提としているからだ。
それぞれが正しい判断をしても、全体として正しい判断になるとは限らない。
むしろ、それぞれが正しく判断するほど、既存事業へ引き戻されることさえある。
部分最適が全体最適にならない。
全体を通して、判断する主体が必要になる。
この意思決定の構造、責任の構造の違いはオペレーションシステムの違いである。
“両利きの経営”を理解していても、実行できないのは、このオペレーションシステムの違いを理解していないことが大きい。意思決定構造、責任構造の違いを理解し、変えることができない、と言い換えてもよい。
実行に関わるキーパーソンがこの意思決定の構造を理解し、マネジメントできなければ事業変革、新規事業・・・M&A、事業売却なども進められないということになる。
トップだけがわかっていても実行できない原因でもある。