企業内の仕事、特に製造業では構造化された仕事がほとんどである。すべてと言っても言い過ぎではない。顧客はどういう類の人達か、提供する価値はどういうものか、どこで儲けるか、どこで競争優位を持つか・・・など、ちょっとずつ違っていても、大枠は決まっている。
たまにこの枠組みを変える仕事もあるが、根底から変わることはない。
構造が決まった世界にどっぷり浸かった人が、見知らぬ領域の事業構造の仮説を創るのは容易ではない。白紙から構造を創る仕事は基本的にない。したがって、経験もない。
どうしてよいかわからない・・状態になってしまう。
俺はこれを“構造化の壁”と呼んでいる。
この壁を乗り越えるにはどういう手段があるだろうか?
少なくとも、経験がなければ始まらないと思うが、経験だけでは足りない。構造化は多くの切り口があるので、少なくともいくつかのパターンを認識できる程度の学習、知識が必要だろう。構造化→学習→実践→再構造化のサイクルを複数回繰り返す必要がありそうだ。
この経験と学習のサイクルを企業現場で得るには相当な時間がかかる。そして、その現場を現実に提供するためにはかなり気合の入ったシステムなり、仕組みが必要だ。
育成するには、腰の入った一貫性と評価基準がなければならない。
お決まりのコースを受けさせて、チェックリストを増やすレベルでは到底たどりつくものではない。
そして・・そもそも構造化に一貫性と評価をもたらすものが無くては始まらない。
シリコンバレーはこの手のサイクルを高速に回しているように見える。
シリコンバレーの特殊性は実は構造化能力開発の高速性なのかもしれない。
構造化に限らず、“能力開発”とはこういうものなのだろう。
AI時代はこの手の能力開発力が競争力を分けるのかも、と思える。