時代や環境によって、求められるものは変わる。
そのダイナミズムを見誤ると、結果は出ない。
失われた何十年というのは、
求められるものを見誤った結果ではないかと思う。
勝ちパターンは、仕組みを作る。
仕組みは磨かれ、成熟し、洗練される。
それが競争優位を強固にする。
高度成長期、日本はそれをやり切った。
属人性を排し、再現性を高め、効率を上げる。
ばらつきを減らし、標準をつくり、例外を減らす。
秩序をつくることに成功した。
だが、仕組みは秩序を生むと同時に、逸脱を排除する。
時代が巡り、
改善や改良ではなく、新しい価値そのものが求められる局面に入ったとき、
閉じた仕組みは、
価値の芽を削り取る力へと変わった。
価値は、秩序の外側から生まれる。
標準化されていない動き。
説明できない違和感。
まだ名前のついていないニーズ。
そうした“逸脱”の中から、新しいものは立ち上がる。
価値創造の初期段階は、混沌としている。
非効率で、再現性もなく、きれいに整理もできない。
だから仕組みに乗らない。
仕組みは閉じ、価値は開く。
今、求められているのは、
これまで培ってきた秩序を、
意識的に壊す勇気なのだろう。