価値には二つの方向がありそうだ。
抽出と創造。
抽出とは過去に創った事業の絶え間ない最適化と効率化。磨き上げるのは無駄を排除するプロセスのファイン化と効率だ。価値の抽出とはロジックの追求である。
創造は未知なるものへの挑戦。仮説と検証を繰り返す、試行錯誤と実験である。冒険による発見が新たな価値を創造する。価値の創造とは冒険と発見である。
価値の抽出はロジックなのでわかりやすい。目的の設定もクリアである。ロジックがクリアなので期待値も数字で表せる。
一方の創造は未知への挑戦なのでロジックでは解体できない。挑戦する意志と勘とか価値観がリードする。期待値も創り上げていく意志を表す。
問題はわかりやすさ、である。抽出は既にあるものをロジックで分解するので圧倒的にわかりやすい。誰もが理解できるものとなる。創造は意志とか勘とか価値観という個人発のものなのでケースによっては理解すらも難しい。
大企業は価値の抽出の結果として大きくなっているので、価値抽出のロジックで回っている。そういう組織の中で価値創造を回すためには、一定の枠を個人の勘や価値観に任せるというロジックを組織の中で共有する必要がある。
経営ロジックの中にロジックでは説明できないパートが存在する、というロジックを打ち立てないと継続した価値の抽出と創造は成立しない。