新規事業をやろう!となったときに、最初にぶつかる壁が「何を目的にするか?」ではないだろうか。事業を創るのが目的と言っても、何から始めて、具体的に何を目的にするのかわからない。とりあえず、調査をするが・・・調査を延々とやっているケースも多々ある。
俺の場合はまずは“勝ちパターンの探索”が目的となる。勝ちパターンとは要はどうやって儲けるか。どこに価値を持たせるか、ということ。これを探索する。
事業会社では既に勝ちパターンを持っている事業があるので、勝ちパターンを探索するという経験はない。既にある勝ちパターンを強化するか、上乗せするくらいで、ここから離れるといきなり素人芸になってしまう。
勝ちパターンを見つけるための目的と手段の設定は知識とその知識をどう使うかの経験が必要だ。ここが最初の壁になる。
この壁をうまく乗り越えるのはよいガイドを使うくらいしか今のところ思いつかないが・・・運よく自力で見つけることができるケースもあるだろう。
次の壁が一貫性。これはさらに難しい。最初の目的の壁でさえ、目的は勝ちパターンの探索なのだが、いつのまにか探索ではなく、無理やり勝ちパターンを構築するところへ行ってしまう。体感的には90%以上はここでトラップされる。ほとんどのケースは探索を目的にしないで、力業で構築する方向へ行ってしまう。
探索は体系的に勝ちパターンを探るものであるが、力業の構築は思いついたそばから勝ちパターンをトライしていくのでまず当たらない。ここは体系的で論理的な見立てが必要なところだ。
何かをやると、結果が出るのでどんどん目的から外れてしまう。これが一貫性の壁だ。
進めば進むほど、情報がリッチになり、課題が出てくるのだが、入口レベルでもこれほど難しい。これがさらに進んで行くと、これまでの積みあげ(サンクコスト)もあってもう一貫性どころではなくなる。
目的と手段そして一貫性を保つことは新規事業の必要条件と言える。