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My Sight

私が仕事で思ったこと、感じたこと、気になること、をメモ的に書いていきます。

戦略の順序

物事には順序がある。
戦略も例外じゃない。一足飛びでいきなりゴールにたどり着こうとしても、だいたいはうまくいかない。
よくあるのが、「最終的にこういう状態になっていたい」って理想を思い描いて、そのゴールにぴったり合ったモノや仕組みをいきなり作り込もうとするパターン。でも、それだけじゃ狙い通りに進まないどころか、逆に遠ざかってしまうことさえある。
大事なのは、「こうなって → ああなって → 最終的にこうなる」っていうシナリオをちゃんと考えること。つまり、いきなり最終形を目指すんじゃなくて、その前に通るべき“順序”を踏んでいくことが必要だ。
ただし、ここで難しいのは――
そのシナリオ、たいてい思い通りにいかない。
だから、何度もシナリオを書き直すことになる。「このステップでこれが起きたから、次はこう動くか」って、その都度、ゴールへの道筋を修正していく。大きなゴールそのものはブレなくても、そこまでの中間目標や手段はどんどん変化していく。しかも、けっこう大きくブレる。
で、こういう“変化しながら進む”という感覚が、既存事業の感覚とは違う。

構造のしっかりした既存事業しか知らないと、どうしても「予定通り進める」「ギャップを分析して修正する」っていう型にはまりがち。すでに外れているルートをベースに、差異分析だけしても、本質的にはズレたまま。戦略の順序やルート全体を見直すって発想に至らない。
だから、「なんか違うなぁ」と感じていても、その違和感を解消できないまま、時間と手間を食い続けてしまう。
予定調和で動かす仕組みは、既存事業では強い。でも、新規事業や未知の領域では、“順序を書き換えながら進む”っていう、まったく違う進め方になる。ここの切り替えができないと、戦略自体が的を外し続けることになる。
戦略は、固定された地図じゃない。動かしながら描いていく“生き物”なんだと思う。