探索の価値観に対する深化の価値観を考えてみる。
探索したものは深化(進化)させなくてはならない。なので、対になる価値観ではなく発展的なものになる。現時点で考えたものは 「達成」・「継続」・「熟練」 というもの。
発見したものを深く掘る。価値としての本質を磨き続ける。価値の本質へ到達することが「達成」となる。
価値の本質へ到達するためには粘り強い「継続」が必要になる。一つ一つ積みあげる価値に重きを置かなくては決して到達しない。
同じ対象に向き合い、積上げていくことで得られる深い理解、技術。これが「熟練」。
“探索”と“深化”は対になるものではなく、発展的な関係にあるが、時間軸としては圧倒的に深化が長い。そして長い長い深化の成果が規模を持つ企業体という成果になる。
企業体は深化の果てが見えたときに探索に出ようとするが、その時には既に探索の価値観は企業体内部では希少になり、その希少価値を活かす術も希少となる。
それは達成率にこだわり、継続して数字をたたき出すことに熟練した経営リーダー。
長い深化の時間軸の中で経営リーダーは深化の価値観を強化した者になり、探索の価値観を活かす術は困難となる。
世の中にあまたあるテクニカルな方法論の知識や理解はあっても、探索に対する価値観をもたないと役に立たない。これが“両利きの経営”のハードルの本質。