探索と深化の対比を価値観で捉えると、
探索=発見・挑戦・覚悟
深化=達成・継続・熟練
という二つの軸で表せる。
これをプロセスの観点から見ると、両者の構造とアプローチの違いがより鮮明になる。
既存事業の深化は、「達成・継続・熟練」という価値観のもとで積み上げ型のアプローチとなる。主力事業として成果を確実に積み重ね、継続することで強化され、熟練の技が競争力を生み出す。ここでは「施策を達成すること」が何よりも重視される。
一方で、新規事業の探索は積み上げでは生まれない。
最初にあるのは「目指すもの=ビジョン」であり、それに挑戦しながら、その過程で発見を繰り返し、未知に立ち向かう覚悟が求められる。積み上げる対象はまだ存在せず、むしろ将来の「積み上げの土台」をつくる過程にある。ここではトップダウン型のアプローチが必要で、成果が得られるかどうかすら不確実だ。
したがって、プロセスとしてみた場合、両者は考える方向が真逆になる。
この違いを理解しないと、価値観の差を知っていても実行に移すことはできない。