「一点突破」という言葉には、どうにも引っかかりがある。
選択肢がなく、これでダメなら終わり――そんな切迫した響きがつきまとうからだ。
戦略を考え、企画を練る立場に立てば、本来はできるだけ避けたい言葉である。
だが一方で、その切迫感があるからこそ、突破できる局面がある。
複数の選択肢を並べ、メリット・デメリットを整理し、天秤にかけながら進む。
それは合理的で、賢いやり方に見える。
けれど、そうやって突破できる道は、どこか予定調和で面白くない。
捨て身で挑む。
背水の陣を敷く。
退路を断ったからこそ、前に進むしかない。
その状態で放たれるエネルギーが、道を拓く。
一点突破の物語に心を揺さぶられるのは、そのエネルギーなのだ。
そもそも、未来はどこまで行っても不確実だ。
完璧な選択肢など存在しない。
選択肢の有無を論じること自体、後講釈の評論に過ぎない。
考えるだけ考え、検討できるだけ検討したなら――
最後に必要になるのは、理屈ではなくエネルギーだ。
一点に集中する覚悟。
迷いを断ち切る決断。
それが、結果として道を拓く。