今まさに選挙で、どの党も分配の話をする。
給付、減税、補助金。
分かりやすいし、今の生活に効く。
それ自体を否定する気はない。
ただ、危機感が募る。成長の話が弱い。
分配は、決めればできる。
制度の話だからだ。
税率をどうするか、どこに配るか。
良し悪しは別として、意思決定と実行が直結している。
だから政治の言葉になりやすい。
一方で、成長はそうはいかない。
成長は制度ではなく、設計の問題だ。
どこに賭けるのか。
どの時間軸で回収するのか。
誰が失敗を引き受けるのか。
これを具体化した瞬間、責任が発生し、失敗の可能性が立ち上がる。
だから語りにくい。
分配は「どう配るか」という答えの話だ。
成長は「何を創るか」という問いの話だ。
答えは議論しやすい。
問いは時間も覚悟も要る。
問いを立て続けるには、短期の評価とは相性が悪い。
結果として、分配ばかりが前に出て、成長はスローガンになる。
だが、原資が増えなければ、分配は続かない。
成長なき分配は、当面のしのぎに過ぎない。
これは精神論でも、イデオロギーでもない。構造の話だ。
国家でも企業でも必要なのは、分配か成長か、という二択ではない。
短期の答えと、中長期の問いを、どう両立させるか。
そして、成長という問いを誰が引き受けるのか。
この国と企業はいま、
どんな成長の問いを立てようとしているのだろうか。